スティックセニョール

耕作放棄地の再利用

福井市篭谷にあるベジタボーファームは、限界集落の空き家を借受け耕作放棄地を利用して畑を耕し、ゴールデンウイークや夏休みを利用して、親子で畑体験などワークショップを限界集落A43の取り組みとしてこれまで行ってきました。

私自身、昨年度より一坪オーナーとして、年間5,000円を限界集落A43を営む代表の藤井氏へお支払いし、一緒に畑を耕し、春先から秋にかけて様々な苗を植え、時には種から発芽させた野菜を植えたりと、試行錯誤しながら畑ライフを楽しんでいます。

畑を耕す際には、小さい耕運機で土を起こします。一昨年初めて耕運機で畑の土を起こした際には、石が跳ねたり粘土質の土が耕運機の刃に絡まりだんだん重くなってきて、うまく耕すというより、耕運機に遊ばれてる感じでしたが、コツを掴めば畑仕事はジムに通うよりもいい運動になると気づき、それ以来体幹に力をいれながら、大地を強く蹴り、背筋を伸ばし、腕は楽にグリップを掴んで耕せるようになりました。

苗を植える時には、畝を作らなければなりませんが、その時は鍬を持って土を寄せ上げながら畝を作ります。これも私は「畝つくりエクササイズ」と称して、綺麗なフォームで鍬を振ることを心がけています。

限界集落というエリアだからこその、人の強さ・豊かさ

炭焼き小屋「芦炭窯」がある吉山町の限界集落のお婆さんは、80歳を超えられていますが、耕運機もスイスイと、鍬さばきも軽やかでとてもかなわないなと思うほど、足腰が強くて、炭焼き小屋の近所の畑からご自宅までは荷車を引っ張り坂道を上り下りされています。

畑つくりは手間がかかり、体力も使い、時にはイノシシやサル、カラスなどからせっかくできた野菜を取られてしまったりすることもありますが、採れたての野菜の美味しさや、手間暇かけたことで生まれる愛情も加わって、自分で作ったお野菜で作る料理も格別です。

限界集落がある芦見地区は市街地から車で20分ほどの距離にありながら、自然豊かで、山から湧き出る水が足羽川となりその美しい水がおいしお米を作っていたり、山がもたらす自然の恵みがたくさん残っていて、それは限界集落と呼ばれるエリアだからこその豊かさだと感じます。

里山の暮らしが未来のスタンダードか?

2020年の春はCOVIT-19の影響で人々が自宅に留まり、リモートワークや自粛による公共交通の縮小、産業の面では工場が休業するなど、様々な経済的ダメージが起こっていて、今後さらにそのダメージは深刻なものになると思いますが、その代わり自然界では人々が動かなくなってた間に、これまで人間が壊してきた環境が良くなるなどの現象があったなどニュースでも取り上げられているほど、約2ヶ月で様々な変化が起こっています。

COVIT-19は、人類に地球環境の悪化を危惧して、これからあるべき未来の暮らし方へ大きくパラダイムシフトすべきチャンスをもたらしたのではないかとも思える今日この頃です。

そして、ここ2年ほど、ベジタボーファームで畑作り通し感じていたこととして、都会にはない美しい山々と美しい水、美味しい山菜、そこで作られる炭で採りたての野菜を焼いて食べる。スローライフ=シンプルな暮らし。その里山での暮らしが未来のスタンダードになり得るのではないかと。
日本や世界で産業が発展してきたからこそ得られた物質もありますが、自然とともに生きる暮らしをこれからは「豊かな暮らし」として人々が求め、地方に戻ってくる未来は近いのではないかと思います。

その未来は、近い将来なのか、また10年20年後の未来なのかはわかりませんが、その時にこの里山での暮らしの記憶が消えてしまわないよう、ここに記していてきたいと思います。